法人会計

源泉所得税の納期の特例について

源泉所得税の納期の特例について

1人法人や人を雇って
ビジネスを行う場合、
「源泉所得税」というものを
国に納める必要があります。

  • 源泉所得税とはなにか?
  • そもそも所得税とはなにか?
  • 源泉所得税の計算方法

といった源泉所得税の基礎知識に関しては
別記事でもお伝えしていますが、

今回は、
「源泉所得税の納期の特例」について
解説していきます。

  • 個人事業主
  • 中小企業経営者

などに当てはまる方は、
とても重要な内容になります。

源泉所得税の納付手続きの負担を
軽減できる「納期の特例」について
しっかり理解していきましょう。

源泉所得税の納期の特例とは?

通常の源泉所得税の納付は、
源泉徴収した税金を翌月の10日までに
毎月税務署に納める義務があります。

それに対して

「源泉所得税の納期の特例」

一定の条件を満たした場合に限り
源泉所得税の納付を
半年に1回(年に2回)に
まとめて納付することが出来る
制度になります。

特例の対象者

源泉所得税の納期の特例を
利用することが出来る対象者は、

  • 個人事業主
  • 雇用人数が10人未満の法人

などといった

給与の支給人員が
常時10人未満である
源泉徴収義務者が
対象
になります。

納期の特例の納付時期・納付期限

上記でも記載しているように
源泉所得税は給与を支払った
翌月の10日までに
納付するのが原則ですが、

「源泉所得税の納期の特例」の場合は
納付時期を年に2回に
減らすことが出来ます。

上画像のように
納期の特例を利用した場合の

  • 納付時期
  • 納付期限

は決まっています。

納期の特例を受ける方法

源泉所得税の納期の特例制度を受けるには
「源泉所得税の納期の特例の
承認に関する申請書」
を作成し提出する必要があります。

申請書は

  • 国税庁のHPでダウンロード
  • 税務署でもらう

方法があります。

申請書の提出時期

申請書の提出に関してですが、
特に決まった提出期限は
ありません。

ですが、提出時期によって
適用時期も変わってきます。

原則として、
納期の特例が適用されるのは、
申請書の提出した日の翌月から
になります。

例えば、
申請書を7月に提出した場合

7月支給分までの所得税
8/10までに納付します。
⇒ここまで通常の納付方法

8月支給分からの源泉所得税から
適用開始になります。
⇒ここから特例制度の適用

また、
「源泉所得税の納期の特例の
承認に関する申請書」
開業届と一緒に提出する場合は、

開業届の書類の項目に
「源泉所得税の納期の特例の
承認に関する申請書の提出の有無」
にチェックを入れておく
必要があります。

申請書の提出方法

「源泉所得税の納期の特例の
承認に関する申請書」は、

納税地を管轄する税務署に
提出します。

申請書の提出方法は、

  • 税務署の窓口に持参する
  • 税務署に郵送する
  • e-Taxからインターネット経由で提出

上記の3つの方法で提出可能になります。
手続きに関する手数料はかかりません。

特例の適用外になった場合

事業規模が大きくなるなどで

  • 個人事業主
  • 雇用人数が10人未満の法人

といった上記の条件に
当てはまらなくなった場合には、

「源泉所得税の
納期の特例の要件に

該当しなくなったことの届出書」
の提出が必要です。

特例の要件に該当しなくなるのは
「常時」10人以上となった場合です。

通常は5人だが
繁忙月の1ケ月だけ
12人になった場合は、
納期の特例が適用されます。

納期の特例のメリット・デメリット

源泉所得税の納期の特例の
最大のメリットは、
源泉所得税の支払いを半年に1回
年に2回で済みますので

煩雑な事務作業を
毎月する手間が
省けるのが
大きなメリットになります。

一方で納期の特例のデメリットは
半年分をまとめて納税することに
なるがゆえに、

1回の負担額が
大きくなるという点です。

源泉所得税はあくまでも
従業員からの預かり金になりますので
納税するお金としてきちんと
確保しておきましょう。

納付に関して

次に源泉所得税を納付方法は、

  • 税務署で納付
  • 金融機関窓口での納付
  • e-Taxからキャッシュレス納付

の納付方法があります。

納付書の入手方法

源泉所得税の
納付書の入手方法ですが、

前年度に確定申告をしている方は
確定申告の書類と一緒に
納付書が同封されています。

そうでない場合は、
税務署に郵送依頼するか
税務署や金融機関に直接行き
入手することも可能です。

所得税の納付書は所得の種類により
納付書が異なるため
9種類の納付書がありますが、

源泉所得税の納付書
「給与所得・退職所得等の
所得税徴収高計算書」という
納付書になります。

納付書の記載について

所得税徴収高計算書は

  • 一般分
  • 納期特例分

と2種類ありますので注意しましょう。

納付書の記載方法は
国税庁のHPなどにも
載っていますので
参考にして記載しましょう。

まとめ

従業員などを雇用することは
給与の振込をしたり
源泉徴収、納税を行ったり等
様々な作業があるため負担になります。

源泉所得税の納期の特例を
受けられるには条件がありますが、

活用することで、毎月行うことが
半年に1回で済むため
手間が省けることが

メリットになります。

申請から納付までの流れを
しっかり理解したうえで
活用しましょう。