法人会計

源泉所得税について

源泉所得税について

人を雇って法人としてビジネスを行う場合、
「源泉所得税」というものを
国に納める必要があります。

源泉徴収所得税という言葉は
聞いたことがあるかと思いますが
「源泉所得税」という言葉は
聞きなれないかと思います。

今回は、

  • 源泉所得税とはなにか?
  • そもそも所得税とはなにか?
  • 源泉所得税の計算方法

などなどを解説していきます。

給与明細などにも
源泉所得税という項目はあり、
法人だけでなく、給与をもらう側も
知っておいた方が良い内容に
なります。

源泉所得税とは?

源泉所得税とは、
法人が従業員などの報酬を
受け取る人の源泉から徴収し、

従業員の代わりに納める税金の
ことを言います。

所得税の1つであり、
「源泉徴収制度」という制度に基づいて
国に納める必要がある税金になります。

法人は源泉徴収する義務があり、
源泉徴収した税金を
翌月の10日までに

毎月税務署に納める義務があります。

原則は翌月の10日までに
納める義務がありますが、
毎月の源泉所得税が
負担になる場合は、
「納期の特例」という制度が
あります。

・雇用人数が10人未満の法人
・個人事業主

などが対象で、申請書を
税務署長に提出すれば、
年に2回にまとめて納付もできます。

所得税とは?

所得税とは、その年の
1月1日~12月31日まで

1年間の所得に対して
かけられる税金です。

所得は10種類あるとされており、

  • 給与所得
  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 退職所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得
  • 雑所得

上記の様に、
給与所得以外にも
様々な所得があります。

それぞれの所得の計算方法に応じて
所得者本人が支払う税金の事をいいます。

源泉所得税を差し引く所得は?

源泉所得税の対象となる所得の範囲は、
所得の支払いを受け取る側

  • 個人であるか?
  • 法人であるか?

によってことなります。

個人が受けとる場合

源泉所得税が差し引かれる
所得の種類として、

個人の場合

  • 給与所得
  • 利子所得
  • 配当所得
  • 退職所得
  • 公的年金
  • 特定の料金や報酬

上記の所得があてはまります。

法人が受け取る場合

源泉所得税が差し引かれる
所得の種類として、

法人の場合

  • 定期積金の給付補填金等
  • 割引債の償還差益
  • 法人の馬主に支払う競馬の賞金

上記の所得があてはまります。

源泉所得税の計算方法

源泉所得税の計算方法ですが、

主に使用する頻度が高いものでいくと

  1. 給与所得から差し引く源泉所得税額
  2. 賞与から徴収する源泉所得税額

の2つの計算方法があります。
それぞれの計算方法を見ていきましょう。

給与所得から差し引く源泉所得税額

給与所得から
源泉徴収税を計算する場合は、
源泉徴収税額が計算できる
源泉徴収税額表を見て
計算していきます。

税額を求める流れとしては、

1:課税対象額を計算する

給与の支給総額から
社会保険料を差し引きします。

この時に、
通勤手当などの非課税所得は
所得に含めないで
計算してください。

2:扶養親族の数を確認する

対象となる従業員が、
「給与所得者扶養控除等(異動)申告書」
提出しているかを確認します。

この申告書には
扶養家族などの情報が
記載されています。

3:源泉徴収税額表を確認する

税額表は毎年変わるため、
必ず最新のものを利用しましょう。

給与所得の源泉徴収税額表は

  • 月額表
  • 日額表

の2種類ありますので、
当てはまるものを確認しましょう。

源泉徴収税額表の見方

月給制の場合
月額表

日給制・週給制の場合
日額表

を確認します。

●給与所得の源泉徴収税額表(月額)

給与所得者扶養控除等(異動)申告書
を提出した人が見る欄になります。
扶養親族の数によって区別されます。

給与所得者扶養控除等(異動)申告書
を提出していない人

●給与所得の源泉徴収税額表(日額)

日給制・週給制の従業員が
適用となります。

賞与から徴収する源泉所得税額

賞与とは、
月々支払う給与とは別に
支給されるものを言います。

賞与から源泉徴収税を計算する場合は、
「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」
を見て計算していきます。

税額を求める流れとしては、

1:課税対象額を計算する

賞与支給の
前の月に支払われた給与の総額から
社会保険料を差し引きします。

この時に、
通勤手当などの非課税所得は
所得に含めないで
計算してください。

2:扶養親族の数を確認する

対象となる従業員が、
「給与所得者扶養控除等(異動)申告書」
提出しているかを確認します。

この申告書には
扶養家族などの情報が
記載されています。

3:源泉徴収税額表を確認する

税額表は毎年変わるため、
必ず最新のものを利用しましょう。

●賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表
1で計算した金額と、2で確認した人数
表と照らし合わせます。

重なった部分の左側にある
「賞与の金額に乗すべき率」
1で計算した金額をかけて算出します。

まとめ

今回は
源泉所得税について解説しました。

給与明細などにも
源泉所得税という項目はあり、
法人だけでなく、給与をもらう側も
知っておいた方が良い内容に
なります。

  • 従業員ごとに金額や扶養人数も異なる
  • 表は毎年発表されるので確認する

ということは分かって頂けたかと思います。

ですが、毎回手計算で
源泉所得税を計算するとなると、
手間がかかったり、
ミスが起こる可能性があるため
会計ソフトなどを活用するのを
オススメします。

また、給与や賞与以外にも

  • 退職金
  • 弁護士や税理士に支払う費用
  • 講演料
  • 原稿料

などにも所得の種類によって
税率は異なりますが
源泉所得税がかかるということは
理解しておきましょう。